プロフィール・想い
佐藤誠
オステオパス(セラピスト)
1990年代にオステオパシーの考え方に傾倒し、施術を開始。乳児から高齢者まで20年間で10,000人以上の実績を持ち、その絶妙な力加減で行う施術が好評でリピーターも多い。
36歳まで音楽や映像を含めたCMやポスターなどを手掛ける広告ディレクターとして勤務。バブル期の過労と、一部の人たちだけが裕福になる構造への疑問が深くなっていく。次第に、幼少期から興味があった「筋肉や神経系へのアプローチする技術」を用い、個人の身体の循環を良くすることで、社会に貢献したいと思うようになる。仕事を離れ、海外では代替医療の手技療法で高評価のカイロプラクティックとオステオパシーを計4年間学ぶ。専門学校の付属クリニックや、小笠原クリニックなどの経験を経て、2000年に開業、その人固有の脳脊髄液のリズムを指先で感じ、その本来のリズムに添うようにバランスを調えていく頭蓋オステオパシー(クラニオセイクラル)に重きを置いた施術を行っている。
趣味は"360度カメラ"。人と一緒に写真を撮ることが好き。また身体の自然な動きから、身体智や生命力に繋がる"コンシャスダンス"も続けている。2016年5月に悪性リンパ腫を発症。鼠径部の卵大の腫瘍(ステージ2)であったが、同年10月から縮小、2017年8月には自然となくなり、経過観察に。この経験から、改めて人のもつ「自然治癒力や、いのちのリズム」の大切さを感じている。
カイロプラクティック専門学校(UCC)3年 / オステオパシー専門学校(JCO)1年 / 人体解剖実習(海外)6回
●オステオパシー関連団体
日本オステオパシー学会(JOA)
日本オステオパシーメディスン協会(JOMA)
Mako's Interview
ー元々は、広告業界でディレクターをしていたと聞きましたが?
ファッションビルのポスターやCMなどの制作に携わっていました。当時は広告コピーも作っていましたが、心に残る表現を日常の言葉で伝えるという所に、興味がありました。また、言葉や映像を介した人とのコミュニケーションに魅力を感じていました。
一オステオパシーにはどんな風に出逢ったのですか?
バブル期でとても忙しく、生まれて初めて30才に肩こりになったんですが、その時にカイロプラクティックに行ってみたんです。最初に出逢ったのは、オステオパシーではなかったんですよ。ひどい肩こりなのに1回で治ったのに驚きました。僕は、子供の頃から筋肉を押すということに興味があって、撮影現場でもよく色んな人の肩をもんでいたんです。
一子供の頃とは!どんな幼少時代だったんでしょう?
筋肉痛や成長痛といった自分に痛みが出た時に、ツボというのか場所を探して押してみて、その力加減で痛みがどうなるかをずっと試していました。中学の時はユリゲラーが流行っ たころで、スプーンを曲げるにはどの力加減がいいか、なんてこともしていました。そこから 心理学や潜在意識がどうなっているんだろう?言葉と心理とはどうつながっているんだろう?ということにも興味を持ちました。
一カイロプラクティックからどうしてオステオパシーに?
広告の仕事は面白かったのですが、売り上げを上げるための広告で、結果的に誰か個人の利益になります。好循環な感じじゃなく、そこにどこか虚しさを感じました。1対多数ではなく、1対1のコミュニケーションにも興味があったので、仕事を辞めて、カイロプラクティックの学校に行くことにしました。そこの学校で出逢ったのが、オステオパシーです。
-オステオパシーの魅力をどこに感じましたか?
筋肉を絶妙な力加減で押すことは子供の頃からやっていたのと、高校生の頃に読んでいた 心理学の本の中にも神経の話がたくさん出てきていて、オステオパシーの考え方や施術方 法に魅力を感じました。特にクラニオという脳脊髄液のリズムを調整するのが好きですね。
ー脳脊髄液のリズムとは何ですか?
頭蓋から脊髄(せきずい)を通って、仙骨や全身に循環している脳脊髄液と呼ばれる液体が身体の中をめぐっているんですね。頭に触れることでその流れを調えていくのがクラニオセイクラルです。頭蓋骨の固さ、動き、脳脊髄液のリズムは人によって異なるのですが、本来のリズムに合うように、その方にあった力加減と場所を見極めて触れることで、バランスを調えていきます。
ー押すというより触れる、という感じなのですね?施術を受けた感じはあるのでしょうか?
世の中には、強い力をかけて押すような施術もありますが、小さい力で触れたり、揺らして いく事で、調う施術なんです。コップに大きい石や小さな石や砂などを入れて、微妙な力で 揺らすと大きく重たいものは下へ、小さいものは上に動いていきますよね。そんな感じをイ メージしてみてください。また、皆さん気持ちよさそうに寝ていらっしゃるので、心も体も緩んでいると思います。
ーまこさんのオステオパシーに対する願いは何ですか?
動きやリズムを感じながら、その人の持つ自己治癒力と会話しているようです。痛みがあると、人はどうしても不安が大きくなり、心が小さくなります。痛みが緩和されることで、安心や自信が生まれて、明るく前向きになっていきます。痛みの悪循環から、安心の好循環に入っていくというか。そうしてご本人が望む、豊かな生活が送れることを願って施術をしています。
Interview:Makiko Iwashita
Photo:Keiko Takahashi
Design:Shoko Takahashi